2025.08.08

親知らず4本抜歯は同時にできる?同時・分割にするメリットを紹介

「親知らず4本抜歯は同時にできる?」

「親知らず4本を同時か抜歯するか分割して抜歯するか悩んでいる」

「親知らず抜歯後の痛みや腫れの期間が知りたい」

上記の疑問をお持ちの方は、親知らずが4本あり、痛みが続くのか心配で治療をどうすべきか決められずお悩みなのではないでしょうか。

親知らず4本の同時抜歯は、患者さんの健康状態や親知らずの生え方といった条件が揃えば可能です。

しかし、誰もが選択できるわけではなく、分割して抜歯した方がよいケースもあります。

本記事では、「親知らず4本抜歯は同時にできるのか、同時・分割にするメリット」を紹介します。

親知らず4本抜歯の費用相場と保険適用まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

また、親知らず抜歯については、下記のページで解説しています。

詳細は「親知らず」をご覧ください。

親知らず4本抜歯は同時にできる?

親知らず4本抜歯を同時にできるケース・できないケースを、それぞれ紹介していきます。

親知らず4本抜歯が同時にできるケース

親知らず4本抜歯が同時にできるケースは、以下のとおりの方です。

  • 全身疾患がなく健康なこと
  • 親知らずがまっすぐ生え抜歯の難易度が低いこと

患者さんの安全を最優先するため、身体への負担が少ないことが前提です。

主に抜歯による出血や感染のリスクが低い健康な方で、短時間で抜歯できる状態が求められます。

また、静脈内鎮静法や全身麻酔に対応できる医療機関であることも重要です。

心身の状態と親知らずの生え方が、4本同時抜歯の可否を判断する基準になります。

親知らず4本抜歯が同時にできないケース

親知らず4本抜歯が同時にできないケースは、以下のとおりの方です。

  • 重度の全身疾患がある場合
  • 抜歯の難易度が高い場合

治療には身体的な負担が伴うため、患者さんの安全確保が最優先されます。

親知らずが横向きに生えていたり、骨の中に完全に埋まっていたりする難症例は、分割での抜歯が推奨されます。

局所麻酔しか対応できない場合も、長時間の治療は患者さんへ負担がかかるため同様です。

その場合は、リスクを避けるために分割での抜歯が選択されます。

 親知らず4本は抜いた方がよい?抜かない方がよい?

親知らず4本は抜いた方がよいのか、それとも抜かない方がよいのか、ひとつずつ解説していきます。

親知らず4本を抜いた方がよいケース

親知らずは、「痛みや腫れを繰り返している」「虫歯や歯周病の原因になっている」場合は、抜歯が推奨されます。

とくに、親知らずはお口のトラブルの要因となる場合も少なくありません。

たとえば、親知らずが斜めに生えて隣の歯との間に隙間ができ、食べかすが溜まって虫歯になるケースもあります。

また歯並びに悪影響を与えている場合も、将来的な問題を避けるために抜歯を検討するのがおすすめです。

お口の健康を長期的に維持するためには、問題のある親知らずは抜くのが望ましいです。

親知らず4本を抜かない方がよいケース

親知らずがまっすぐ正常に生え、ほかの歯と同様に噛む役割をきちんと果たしている場合は、抜歯は必要ありません。

また、完全に骨の中に埋まっていて、今後問題を起こす可能性が低い場合も経過観察となる場合があります。

その場合、将来的にほかの奥歯を失った際に、移植歯として利用できる場合もあります。

問題なく機能している親知らずは、無理に抜かないといった選択も可能です。

 親知らずを放置するリスク

抜くべき親知らずを放置すると、虫歯や歯周病、歯並びの悪化などさまざまな健康上のリスクが高まります。

親知らずは最も奥に位置するため、歯ブラシも届きにくく、汚れが溜まりやすいです。

結果的に、溜まった歯垢が原因で、親知らず自体や隣の健康な歯まで虫歯になります。

また、歯茎が炎症を起こして口臭の原因になる場合があります。

親知らずの放置は、お口全体の環境を悪化させるケースもあるため、適切なタイミングでの対処が重要です。

親知らず4本抜歯を「同時」にするメリット・デメリット

親知らず4本抜歯を「同時」にするメリット・デメリットを、それぞれ解説します。

親知らず4本抜歯を同時にするメリット

親知らず4本抜歯を同時にするメリットは、以下の7つです。

  • 治療が1回で完了する
  • ダウンタイムが1回で凝縮される
  • 精神的な負担が1回で済む
  • 投薬が1クールで済む
  • トータルの費用を抑えられる可能性がある
  • 左右の噛み合わせのバランスが崩れない
  • 食事制限のトータル期間が短い

それぞれ解説します。

治療が1回で完了する

治療が1回で完了し、通院回数を最小限に抑えられます。

抜歯から抜糸までの一連の流れを、一度のスケジュール調整で済ませることが可能です。

そのため、何度も仕事を休んだり、予定を変更したりする必要もありません。

学業や仕事で多忙な方にとって、時間的な負担が少ない点は大きな利点です。

また、短期集中で治療を終えたいと考える方にも効率的な方法となります。

ダウンタイムが1回で凝縮される

術後のダウンタイムが1回で凝縮される点は、同時抜歯のメリットです。

分割抜歯の場合は、抜歯のたびに腫れや痛みに悩まされる期間が発生します。

しかし、同時抜歯は、辛い期間を一度で乗り越えることが可能です。

仕事や学校を休む期間を一度にまとめられるため、社会生活へのトータルの影響を少なくできます。

回復期間をまとめて確保できる方には、合理的な選択といえます。

精神的な負担が1回で済む

多くの人が感じる歯科治療への恐怖や不安を、一度の経験で乗り越えられます。

とくに、抜歯に対する「怖い」「痛い」といった気持ちは、精神的ストレスとなりやすいです。

しかし、分割抜歯は、ストレスを何度も経験しなくてはなりません。

歯科治療が苦手な方にとって、一度で済むメリットはとくに大きいでしょう。

一度ですべてを終えられることは、精神的な負担を大きく軽減します。

投薬が1クールで済む

抗菌薬や鎮痛剤の服用が、1クールで完了できます。

たとえば、抜歯後には、感染予防や痛みのコントロールのために薬の服用が必要です。

しかし、分割抜歯の場合、治療のたびに薬を飲むことになり、身体への負担が懸念されます。

とくに身体的な負担を少しでも軽くしたい方にとって、1クールで済む点は重要なポイントです。

さらに投薬期間が1回分で済むため、薬による副作用のリスクや肝臓への負担も低減できます。

トータルの費用を抑えられる可能性がある

複数回に分けるよりも、トータルの費用を抑えられる場合もあります。

日本の医療保険制度は、治療ごとに行為料が加算される仕組みです。

分割抜歯では、再診料や管理料、処置料などが都度発生します。

そのため、経済的な負担を少しでも軽減したい方には、費用を抑えられる可能性がある点はメリットです。

また、費用を1回にまとめることで、結果的に自己負担額が安くなるケースがあります。

左右の噛み合わせのバランスが崩れない

左右を同時に治療するため、噛み合わせのバランスが崩れるのを防げます。

たとえば、分割抜歯は、抜歯した側で噛めない期間が生じるため、無意識のうちに反対側ばかりで噛む癖がついてしまいます。

片側ばかりで噛むことは、顎関節への負担や顔の歪みにつながるリスクがあります。

術後の噛み合わせの安定を重視する方にとって、バランスが崩れない利点は見逃せません。

食事制限のトータル期間が短い

食べ物が制限される期間が一度で済むため、トータルの期間は短くなります。

親知らずの抜歯後は、傷口に負担をかけないよう、やわらかい食事を摂ることが必要です。

しかし、分割抜歯は制限期間が複数回にわたって発生します。

食べるのが好きな方にとっては、期間が短いことは大きなメリットと感じられるでしょう。

食事の楽しみが制限される期間を一度にまとめることで、より早く普段の食生活に戻ることが可能です。

親知らず4本抜歯を同時にするデメリット

親知らず4本抜歯を同時にするデメリットは、以下の3つです。

  • 術後の腫れや痛みが両側に出て強く感じる可能性がある
  • 食事が一時的に非常に困難になる
  • 対応できる医療機関が限られる場合がある

ひとつずつ解説します。

術後の腫れや痛みが両側に出て強く感じる可能性がある

術後の腫れや痛みが、左右両方の顎に出る場合もあります。

身体が受けるダメージが一度に集中し、症状を強く感じやすい傾向にあるため、片側ずつ抜く場合に比べ、身体的な負担は大きいといえるでしょう。

術後の回復期間を安静に過ごせる環境の確保が、とくに重要になります。

とくに痛みに弱い方や、体力に自信のない方は、負担の大きさを十分に考慮する必要があります。

食事が一時的に非常に困難になる

左右両方の奥歯で噛めなくなるため、食事が一時的に非常に困難になります。

この普段通りの食事ができないストレスは、想像以上に大きいものです。

固形物を噛むことができず、数日間は流動食やゼリー状のものに頼ることになります。

食事から十分な栄養を摂りにくくなるため、体力の低下につながる場合もあります。

そのため、著しい食事制限を乗り越える覚悟が必要になります。

対応できる医療機関が限られる場合がある

同時抜歯、とくに麻酔を伴う処置は、対応できる医療機関が限られます。

安全な治療の実施には、専門的な設備や人員体制が整っていることが必要です。

そのため、大学病院や口腔外科を専門とする規模の大きい病院が主な選択肢です。

場合によっては、かかりつけの歯科医院では対応できず、紹介状が必要になるケースも少なくありません。

また、親知らずの抜歯を希望しても、すぐに治療を受けられるとは限りません。

まずは歯科医院を受診し、自身の親知らずの抜歯が可能かどうかを確認するのが望ましいです。

親知らず4本抜歯を「分割」にするメリット・デメリット

親知らず4本抜歯を「分割」にするメリット・デメリットを、それぞれ解説していきます。

親知らず4本抜歯を分割にするメリット

親知らず4本抜歯を分割にするメリットは、以下の6つです。

  • 一度に受ける身体的ダメージが少ない
  • 術後の腫れや痛みが片側だけで済む
  • ダウンタイム中の生活への支障が小さい
  • 精神的なプレッシャーが少ない
  • 対応できるクリニックの選択肢が広い
  • 全身疾患を持つ方でもリスク管理がしやすい

ひとつずつ解説します。

一度に受ける身体的ダメージが少ない

親知らずを分割で抜歯した場合、身体への負担が分散されるため、一度の治療で受けるダメージが少なくなります。

治療時間が短く、出血量も抑えられる傾向にあり、術後の回復も比較的早いといえるでしょう。

そのため、体力に自信がない方や、ご高齢の方でも安心して治療を受けやすいです。

また、身体への優しさを最優先に考える方には、最適な選択肢となります。

術後の腫れや痛みが片側だけで済む

親知らず抜歯後の腫れや痛みが、片側だけで済むメリットがあります。

たとえば、辛いダウンタイムの負担が、半分に軽減されるとイメージできます。

また、症状が出ていない、反対側の歯での食事が可能です。

その場合、会話への支障も比較的少なく、マスクをすれば見た目の腫れも隠しやすいでしょう。

主に、日常生活への影響を最小限に抑えたい方にとって、腫れや痛みが片側で済む点は重要なポイントです。

ダウンタイム中の生活への支障が小さい

片側の顎は正常に機能するため、ダウンタイム中の生活への支障が小さく済みます。

食事や会話で完全に困ることがなく、日常生活を維持しやすいです。

たとえば、仕事や家事を長期間休めない方でも、スケジュールを調整しやすいでしょう。

回復期間中も、ある程度の生活レベルを保ちたいと考える方に適しています。

また、社会生活への影響を最小限にしたい方には、分割抜歯が推奨されます。

精神的なプレッシャーが少ない

分割での親知らずの抜歯は、「まずは1本だけ」と考えることで、治療に対する心理的なハードルが下がります。

4本同時に抜く大きな手術に比べると、精神的なプレッシャーは格段に少ないです。

また、一度経験することで、次の治療への見通しも立てやすくなります。

歯科治療に強い恐怖心がある方でも、落ち着いて治療に臨めるでしょう。

心の準備をしながら、段階的に進めたい方に適した方法です。

対応できるクリニックの選択肢が広い

分割抜歯は、多くの一般的な歯科医院で対応が可能です。

1本ずつの抜歯であれば、特殊な設備や体制を必要としないケースも多いです。

そのため、自宅や職場の近くにある、かかりつけのクリニックで治療を受けられる可能性があります。

結果的に、大学病院まで足を運ぶ必要がなく、通院の利便性が高い点はメリットです。

また、クリニックの選択肢が広いことで、自分に合った医師を見つけやすくなります。

全身疾患を持つ方でもリスク管理がしやすい

親知らずの抜歯を複数回に分けることで、患者さんの体調変化に対応しやすくなります。

高血圧や糖尿病などの全身疾患をお持ちの方は、体調管理がとくに重要です。

一度の治療時間を短くすることで、身体への負担を最小限に抑え、安全に治療を進められます。

万が一、治療後に体調の変化があった場合でも、次の治療計画を柔軟に見直すことが可能です。

持病がある方にとって、主にリスク管理のしやすさは大きな安心材料です。

親知らず4本抜歯を分割にするデメリット

親知らず4本抜歯を分割にするデメリットは、以下の3つです。

  • 通院回数と治療期間が増える
  • 怖い・痛い経験を複数回することになる
  • 総額の費用が割高になる可能性がある

それぞれ解説します。

通院回数と治療期間が増える

通院回数が多くなり、すべての治療が完了するまでに数ヶ月かかります。

たとえば、抜歯や消毒、抜糸といった一連の流れを、親知らずの本数分繰り返しが必要です。

治療のたびにスケジュールを調整する必要があり、多忙な方にとっては大きな負担です。

また、治療期間が長期化することで、モチベーションの維持が難しくなる可能性もあります。

主に短期間で治療を終えたい方には、不向きな方法といえるでしょう。

怖い・痛い経験を複数回することになる

治療への恐怖や術後の痛みを、何度も経験しなくてはなりません。

とくに歯科治療が苦手な方にとっては、精神的な負担が回数を重ねるごとに増していく場合があります。

たとえば「またあの痛みを経験するのか」と考えると、次の治療が憂鬱になるでしょう。

辛い経験は一度で済ませたいと考える方には、同時抜歯の方が適しています。

精神的な苦痛を何度も味わう点は、分割抜歯の大きなデメリットです。

総額の費用が割高になる可能性がある

治療ごとにかかる費用が積み重なるため、総額が割高になるケースもあります。

日本の医療保険制度では、初診料や再診料、検査料などが治療のたびに発生します。

分割抜歯では、費用が複数回かかることになるため、経済的な負担を重視する方は費用面を考慮する必要があります。

結果的に、同時抜歯よりもトータルの自己負担額が高くなるケースは少なくありません。

【麻酔別】親知らず4本抜歯で痛みや不安を軽減する方法

麻酔別にの親知らず4本抜歯で痛みや不安を軽減する方法は、以下のとおりです。

  • 【静脈内鎮静法】うとうと眠ったような状態になる
  • 【全身麻酔】完全に意識がなくなる

ひとつずつ解説します。

【静脈内鎮静法】うとうと眠ったような状態になる

静脈内鎮静法は、点滴で鎮静剤を投与し、リラックスした状態で治療を受けられる麻酔方法です。

完全に意識を失うわけではなく、うとうとと眠っているような感覚になります。

健忘効果があるため、治療中の音や振動、痛みなどをほとんど覚えていません。

歯科治療への不安や恐怖心が強い方にとって、心身の負担を大幅に軽減できる有効な選択肢です。

静脈内鎮静法により、長時間の手術も楽に乗り越えることが可能になります。

【全身麻酔】完全に意識がなくなる

全身麻酔は、完全に意識がなくなった状態で手術を受ける方法です。

痛みや音、振動などをまったく感じることなく、目が覚めたときにはすべての治療が完了しています。

抜歯への恐怖心が極度に強い方や、嘔吐反射が激しい方には最適な選択肢です。

身体への負担が大きく、専門の麻酔科医による管理と入院が必要となります。

全身麻酔は、主に大学病院などの高次医療機関でのみ実施される大掛かりな方法です。

親知らず4本抜歯の治療の流れ【5ステップ】

親知らず4本抜歯の治療の流れは、以下のとおりです。

  • ステップ1:初診カウンセリングと精密検査を受ける
  • ステップ2:治療計画の説明を受けて手術日を決める
  • ステップ3:手術当日に麻酔・抜歯・縫合・止血をおこなう
  • ステップ4:抜歯翌日に消毒と経過観察のため通院する
  • ステップ5:手術から約1〜2週間後に抜糸する

それぞれ解説します。

ステップ1:初診カウンセリングと精密検査を受ける

安全な治療は、まず歯科医師に相談し、カウンセリングと精密検査でお口の状態を正確に把握することから始まります。

レントゲンやCT撮影で親知らずの生え方や神経との位置を詳しく調べ、抜歯のリスクを最小限に抑えます。

この精密な診断が、患者さん一人ひとりに合った適切な治療計画の土台です。

ステップ2:治療計画の説明を受けて手術日を決める

検査結果にもとづき、歯科医師から抜歯の必要性や方法、リスクや費用など具体的な治療計画の説明を受けます。

患者さんがすべての情報を理解し、疑問や不安を解消したうえで治療に同意することが重要です。

十分に納得したあと、相談のうえで手術日を決定していきます。

ステップ3:手術当日に麻酔・抜歯・縫合・止血をおこなう

手術当日は、まず麻酔で痛みを完全に取り除いた状態で治療を開始します。

歯茎の切開から抜歯、傷口の洗浄・縫合までを慎重におこない、出血を抑え治癒を促します。

最後にガーゼを噛んで止血をおこない、手術は完了です。

ステップ4:抜歯翌日に消毒と経過観察のため通院する

抜歯の翌日には、傷口の状態確認と感染予防のための消毒で通院が必要です。

歯科医師が術後の経過をチェックし、合併症を防ぐことでスムーズな回復を促します。

この段階では、自己判断で通院をやめず、必ず指示に従うことが大切です。

ステップ5:手術から約1〜2週間後に抜糸する

手術から約1〜2週間後、傷口が十分に治癒した段階で縫合した糸を取り除きます。

抜糸は短時間で完了し、痛みもほとんどなく、これで一連の抜歯治療は完了です。

ただし、抜歯後の穴が完全に塞がるまでは継続的な口腔ケアが重要になります。

親知らず4本抜歯の費用相場と保険適用

親知らずの抜歯にかかる費用は、保険が適用されるのが一般的です。

費用は、親知らずの生え方によって大きく変動しますが、4本抜いて「6,000円〜20,000円前後(3割負担)」が費用相場です。

もしまっすぐ生えている単純な抜歯であれば、1本あたり「1,500円〜5,000円程度」が目安です。

また、骨を削る必要があるような難症例では、1本あたり「7,000円〜15,000円程度」になる場合もあります。

ただし、初診料や再診料、レントゲン・CT撮影料、薬剤料などが別途必要です。

治療前に、歯科医院で費用の総額について確認しておくことが大切です。

親知らず4本抜歯後の腫れ・痛みとダウンタイム

親知らず4本抜歯後の腫れ・痛みとダウンタイムについて、紹介していきます。

  • 親知らず4本抜歯後の「痛み」と「腫れ」のピーク
  • 顔はどれくらい腫れるのか
  • 痛みの程度と種類
  • ダウンタイムの復帰目安
  • 痛みや腫れ以外に注意すべき症状

ひとつずつ解説します。

親知らず4本抜歯後の「痛み」と「腫れ」のピーク

抜歯後の痛みのピークは、麻酔が切れてから「24〜48時間後」に訪れるのが一般的です。

腫れのピークは少し遅れて、「術後48〜72時間後」が目安となります。

あらかじめ症状の推移を知っておくことで、心の準備もできます。

また、処方された鎮痛剤を適切に服用することで、痛みは十分にコントロール可能です。

顔はどれくらい腫れるのか

顔の腫れの程度には個人差がありますが、とくに下の親知らずを抜いた場合に強く出やすいです。

見た目にもわかるほど、顔の輪郭が変わる場合があります。

腫れの大きさは、抜歯の難易度や体質によって左右されますが、通常、腫れは「術後2〜3日」をピークに、1週間ほどで徐々に引いていきます。

もし外出時に気になる場合は、マスクで隠すなどの工夫が有効です。

痛みの程度と種類

抜歯後の痛みは、処方される鎮痛剤でコントロールできるレベルが一般的です。

ズキズキとした拍動性の痛みが特徴で、最初の「1〜2日」は強く感じる場合があります。

たとえば、ものを飲み込む際に、喉の奥が痛む嚥下痛を伴うケースもあります。

この痛みは、正常な治癒過程で起こる反応です。

鎮痛剤を我慢せずに服用し、安静に過ごすことが痛みを和らげるポイントです。

ダウンタイムの復帰目安

社会復帰までの期間は、個人差や抜歯の難易度によって異なります。

たとえば、一般的なデスクワークの場合は「2〜3日程度」の安静期間を見込んでおくとよいでしょう。

接客業や体力仕事など、身体への負担が大きい職業の場合は、1週間程度の休みを確保するのが理想です。

事前に職場と相談し、無理のないスケジュールを組むことが、スムーズな回復につながります。

痛みや腫れ以外に注意すべき症状

痛みや腫れ以外にも、注意すべき術後症状がいくつかあります。

具体的には、内出血によって頬や首元にあざ(皮下出血斑)ができることがあります。

口が開きにくくなる開口障害や、微熱が出ることも珍しくありません。

しかし、この症状は、通常1〜2週間で自然に改善します。

症状が長引いたり、悪化したりする場合は、速やかに歯科医院に連絡してください。

親知らず4本抜歯後の過ごし方と注意点

親知らず4本抜歯後の過ごし方と注意点は、以下のとおりです。

  • 【抜歯当日】回復を左右する2大ルール(血餅の保護・薬の服用)を守る
  • 食事はいつから何が食べられるのかを知る
  • 抜歯後の歯磨きと口腔ケア正しい方法と注意点
  • 日常生活の注意点(運動・飲酒・入浴・喫煙はいつからOKか)を把握する
  • 激痛の原因「ドライソケット」を予防する

それぞれ解説します。

【抜歯当日】回復を左右する2大ルール(血餅の保護・薬の服用)を守る

抜歯当日の過ごし方で重要な点は、「血餅(けっぺい)の保護」と「薬の服用」です。

血餅は抜歯した穴にできる血の塊で、傷口を保護し、治癒を促す「かさぶた」の役割を果たします。

そのため、強いうがいや傷口を舌で触って血餅が剥がれないように注意が必要です。

また、処方された抗菌薬や鎮痛剤を指示通りに服用することが、感染予防と痛みのコントロールに不可欠です。

食事はいつから何が食べられるのかを知る

食事は、抜歯後、麻酔が完全に切れてから摂るようにしてください。

麻酔が効いていると、感覚が麻痺して頬や唇を噛んでしまう危険があります。

抜歯当日は、おかゆやヨーグルト、ゼリーなど噛まずに食べられる柔らかいものを選びましょう。

熱いものや香辛料などの刺激物は、傷口にしみて痛みの原因になるため避けるべきです。

術後数日間は、栄養バランスを考えつつ、消化の良いものを中心とした食生活を心がけてください。

抜歯後の歯磨きと口腔ケア正しい方法と注意点

お口のなかを清潔に保つことは、感染予防のために重要です。

そのため、抜歯当日の歯磨きは、傷口周辺を避けて優しくおこなってください。

また、強いうがいは血餅を剥がす原因になるため、水を口に含んで静かに吐き出す程度に留めるのが大事です。

翌日以降は、毛先の柔らかい歯ブラシを使い、抜歯した部分も慎重に磨き始めましょう。

清潔を保ちつつも、傷口を刺激しない丁寧なケアが求められます。

日常生活の注意点(運動・飲酒・入浴・喫煙はいつからOKか)を把握する

血行が良くなる行為は、痛みや出血の原因となるため、術後数日間は控える必要があります。

具体的には、激しい運動や飲酒、長時間の入浴は避け、シャワー程度で済ませましょう。

とくに喫煙は、血管を収縮させて血行を悪くし、傷の治りを著しく妨げます。

少なくとも抜歯後1週間は禁煙することが、順調な回復のために強く推奨されます。

日常生活における自己管理が、回復を早めるポイントです。

激痛の原因「ドライソケット」を予防する

ドライソケットは、抜歯後に激しい痛みが続く合併症です。

傷口を保護する血餅が剥がれてしまい、骨が露出することが原因で起こります。

ドライソケットを予防するためには、血餅をしっかりと守ることが最も重要です。

具体的には、強いうがいをしない、傷口を舌や指で触らない、ストローを使わないといった注意が必要です。

適切なケアをおこない、痛みを伴う合併症のリスクを回避しましょう。

親知らず4本抜歯で後悔しないための歯科医院の選び方

親知らず4本抜歯で後悔しないための歯科医院の選び方は、以下の5つです。

  • CT設備による精密な術前診断ができるか
  • 静脈内鎮静法など麻酔の選択肢が豊富か
  • 担当医の症例数と経験値は十分か
  • カウンセリングが丁寧でリスク説明は透明か
  • 保険適用と自費診療など費用体系は明確か

ひとつずつ解説します。

CT設備による精密な術前診断ができるか

安全な抜歯には、歯科用CTによる精密な術前診断が不可欠です。

CTは、従来のレントゲンではわからない歯根の形や、神経・血管との位置関係を三次元的に把握できます。

抜歯時の神経麻痺などのリスクを事前に評価し、最小限に抑えることが可能です。

CT設備が整っているかどうかは、医院の安全性への意識を測るひとつの指標となります。

精密な診断体制は、安心して治療を任せられる歯科医院の条件です。

静脈内鎮静法など麻酔の選択肢が豊富か

痛みや不安を最小限にするためには、麻酔の選択肢が豊富であることが望ましいです。

具体的には、局所麻酔だけでなく、リラックス効果の高い静脈内鎮静法などに対応しているかを確認しましょう。

患者さんの不安に寄り添い、多様な選択肢を提供してくれる歯科医院は、信頼できるといえます。

麻酔方法の選択肢の多さは、患者さんの快適性を重視する医院の証です。

自身の希望に合った麻酔方法を選べるかどうかが、医院選びの重要なポイントになります。

担当医の症例数と経験値は十分か

親知らずの抜歯、とくに難症例は、高度な技術を要する外科処置です。

担当する歯科医師の経験や実績が、治療の安全性と質に直結します。

主に日本口腔外科学会の認定医や専門医といった資格は、技術力を測るひとつの目安になります。

そのため、歯科医院のホームページで医師の経歴や症例数を確認したり、カウンセリングで直接質問したりするのも良いでしょう。

経験豊富な医師による治療は、安心感につながります。

カウンセリングが丁寧でリスク説明は透明か

治療前のカウンセリングが丁寧で、十分な時間を確保してくれる医院を選びましょう。

治療のメリットだけでなく、起こりうるリスクやデメリットについても隠さず、透明性をもって説明してくれることが重要です。

患者さんの質問や不安に真摯に耳を傾け、納得できるまで説明してくれる姿勢が求められます。

信頼関係を築ける医師かどうかを、カウンセリングで見極めるのが大切です。

保険適用と自費診療など費用体系は明確か

治療を開始する前に、費用の総額や内訳を明確に提示してくれる医院を選びましょう。

保険適用の範囲と、自費診療になる部分をきちんと説明してくれることが重要です。

書面で見積もりを提示し、追加費用が発生する可能性についても言及してくれる医院は信頼できます。

後々の金銭的なトラブルを避けるためにも、費用体系の明確さは必ず確認すべきポイントです。

誠実な費用説明は、信頼できる医院の証です。

親知らず4本抜歯を成功させるために事前にできること

親知らず4本抜歯を成功させるために事前にできることは、以下の5つです。

  • 免疫力を高めて回復を早める生活習慣を心がける
  • 不安を解消しリラックスして当日に臨む
  • 術後のダウンタイムを見越した予定の組み立てる
  • 手術当日の服装とあると便利な持ち物リストを準備する
  • 家族や職場への事前連絡と協力のお願いをしておく

それぞれ解説します。

免疫力を高めて回復を早める生活習慣を心がける

手術に向けて、自身の免疫力を高めておくことが、回復を早めるうえで重要です。

とくに十分な睡眠をとり、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

具体的には、傷の修復に必要なタンパク質やビタミンを意識して摂取することが推奨されます。

また、禁煙も血行を改善し、治癒力を高めるために非常に有効です。

健康的な生活習慣が、手術を乗り越えるための強い身体を作ります。

不安を解消しリラックスして当日に臨む

治療内容をよく理解し、疑問点を事前に解消しておくことが、不安の軽減につながります。

そのため、歯科医師から受けた説明を再確認し、わからないことはメモしておきましょう。

手術当日は、好きな音楽を聴いたり、深呼吸をしたりと、自分なりのリラックス法を試すのも良い方法です。

心穏やかに手術に臨むことが、血圧の安定や、より安全な治療にもつながります。

術後のダウンタイムを見越した予定の組み立てる

抜歯後の数日間は、安静に過ごせるように事前にスケジュールを調整しておきましょう。

とくに仕事や学校は、無理のない範囲で休みを取得することが望ましいです。

なるべく重要な会議やイベントなどは、術後1週間程度は避けるように予定を組みましょう。

食事の準備や家事なども、事前に済ませておくと、術後の負担を軽減できます。

事前の周到な計画が、心身ともに安らかな回復期間を約束します。

手術当日の服装とあると便利な持ち物リストを準備する

手術当日は、身体を締め付けない、ゆったりとした楽な服装で臨みましょう。

自身が楽な服装は、長時間の治療でも疲れにくく、リラックスして過ごせます。

また、術後に顔の腫れを隠すためのマスクや、口元を拭くための濡れティッシュがあると便利です。

声が出しにくい場合に備えて、筆談用のメモ帳とペンを持参するのも良いでしょう。

あらかじめ準備しておくと、当日の快適さと安心感につながります。

家族や職場への事前連絡と協力のお願いをしておく

抜歯後は、食事や会話が不自由になる可能性があることを、事前に家族や職場に伝えておきましょう。

食事の準備や、緊急時の連絡代行など、必要なサポートをお願いしておくことが重要です。

周囲の理解と協力を得ておくことで、安心して療養に専念できます。

一人で抱え込まず、周りの人に頼ることも、スムーズな回復のための大切な準備です。

親知らず4本抜歯に関するよくある質問

親知らず4本抜歯に関するよくある質問を以下にまとめました。

  • 親知らずを抜くのに最適な年齢や時期はありますか?
  • 矯正のために親知らずを全部抜かないとダメですか?
  • 親知らずを4本抜くと小顔になれるというのは本当ですか?
  • 抜歯後に神経が麻痺するリスクはどれくらいありますか?
  • 抜歯後の穴はいつ塞がりますか?また食べ物が詰まったらどうすればいいですか?
  • 親知らずが原因で口臭がすることはありますか?
  • 高額な治療費を抑える制度(医療費控除など)は利用できますか?
  • 妊娠中や授乳中でも抜歯治療は受けられますか?

ひとつずつ解説します。

親知らずを抜くのに最適な年齢や時期はありますか?

親知らずの抜歯に最適なのは、歯の根が未完成で顎の骨が柔らかい10代後半から20代前半です。

この時期は身体への負担が少なく、若いため回復力も高く、術後の治癒が早いというメリットがあります。

また、最適な年齢を過ぎても抜歯は可能ですが、早めの対処が推奨されます。

矯正のために親知らずを全部抜かないとダメですか?

歯列矯正では、スペース確保や後戻り防止のために親知らずの抜歯が必要になるケースが多いです。

しかし、すべてのケースで4本全ての抜歯が必要なわけではなく、お口の状態によっては抜歯が不要な場合もあります。

最終的には矯正担当医による精密な診断にもとづいた判断が重要です。

親知らずを4本抜くと小顔になれるというのは本当ですか?

親知らずを抜くと小顔になるという話に、医学的な根拠はありません。

抜歯で顔の輪郭を形成する顎の骨自体が小さくなるわけではないからです。

術後の腫れが引いて一時的に顔がスッキリしたように感じることはありますが、小顔効果を期待しての抜歯は推奨されません。

抜歯後に神経が麻痺するリスクはどれくらいありますか?

下の親知らずが顎の神経に近い場合、抜歯の際に神経を傷つけ、麻痺が起こるリスクが稀にあります。

発生頻度は低いですがゼロではなく、CTによる事前の精密検査でリスクを最小限に抑えることが可能です。

治療前には、歯科医師から麻痺のリスクについて十分な説明を受けるのが大切です。

抜歯後の穴はいつ塞がりますか?また食べ物が詰まったらどうすればいいですか?

抜歯後の穴が歯茎で覆われるのに約1カ月、骨が完全に塞がるには半年〜1年程度かかります。

食べ物が詰まった場合は、ドライソケットを防ぐため強いうがいは避けてください。

食後にぬるま湯で優しく口をゆすぐか、取れない場合は無理せず歯科医院で洗浄してもらうのが安全です。

親知らずが原因で口臭がすることはありますか?

親知らずが原因で、口臭が発生するケースはあります。

親知らず周辺は歯ブラシが届きにくく汚れが溜まりやすいため、細菌が繁殖し不快な臭いの原因となります。

セルフケアが困難な親知らずは、虫歯や歯周病を引き起こし、口臭の発生源になりやすいです。

高額な治療費を抑える制度(医療費控除など)は利用できますか?

親知らずの抜歯は、医療費控除の対象となる場合があります。

医療費控除とは、年間の医療費が一定額を超えた場合に、確定申告で所得税の一部が還付される制度です。

主に、自身と生計を共にする家族の医療費も合算できるため、領収書は大切に保管しましょう。

妊娠中や授乳中でも抜歯治療は受けられますか?

妊娠中の抜歯は原則として避けるべきですが、やむを得ない場合は安定期におこなうケースもあります。

とくに授乳中の抜歯は、お薬の種類に配慮すれば基本的には可能です。

いずれの場合も自己判断はせず、必ず歯科医師および産婦人科医に相談してください。

【まとめ】親知らず4本抜歯で悩んだらまずは歯科医院へ相談を

親知らず4本の同時抜歯は、治療期間を短縮できるメリットがあります。身体への負担が大きいなどのデメリットも存在します。

最適な治療法は、親知らずの生え方や自身の健康状態、ライフスタイルによって一人ひとり異なります。

しかし、大切なのはインターネットの情報だけで判断せず、専門家である歯科医師に相談することが重要です。

もし「親知らず4本を同時に抜歯したい」方や「親知らず4本を分けて抜歯するか悩んでいる」方は、早めに歯科医院を受診してみましょう。

大宮いしはた歯科では、親知らず抜歯やインプラント、審美歯科など、患者さんの解消したいお悩みに応じて最適なご提案・治療をおこなっております。

痛みや不安をできるだけ軽減し、親知らずをまとめて抜歯したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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