50代で入れ歯の人はいますか?割合や歯がボロボロのリスクを解説
「50代で入れ歯の人はいますか?」
「50代で入れ歯を使っている人が実際にどのくらいいるのか知りたい」
「50代で入れ歯を使うことに対する不安を解消したい」
上記の疑問をお持ちの方は、50代で入れ歯を使うことに対する不安や恥ずかしさがあり、ほかの人がどうしているか気になるのではないでしょうか。
結論、50代で入れ歯の人はいます。また、50代で入れ歯を使用していることは、珍しいことではありません。
本記事では、「50代で入れ歯の人はどのくらいいるのか、入れ歯の割合や歯がボロボロになるリスク」を紹介します。
50代で入れ歯にしたあとの生活への影響まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
50代で入れ歯の人はいますか?【入れ歯の割合】
50代で入れ歯の人はいます。
また、使用していることも決して珍しいことではありません。
歯を失う大きな原因は歯周病で、とくに40代以降はそのリスクが高まるため、誰にでも起こりうることです。
厚生労働省の調査では、50代での補綴物を装着している者の割合は、以下のとおりです。
- 50~54歳(部分入れ歯):5.2%
- 55~59歳(部分入れ歯):8.8%
- 50~54歳(総入れ歯):0.6%
- 55~59歳(総入れ歯):0.7%
引用元:表 14.補綴物の装着の有無と各補綴物の装着者の割合(15 歳以上)|令和4年
50代での入れ歯は特別なことではなく、多くの方が同じように歯の問題と向き合っているのです。
50代で入れ歯は恥ずかしい?
50代で入れ歯は恥ずかしいのか、以下に紹介していきます。
- なぜ「入れ歯は恥ずかしい」と感じてしまうのか?
- 本当に恥ずかしいのは「歯がないまま放置する」こと
- 最新の入れ歯なら見た目の悩みは解決できる
それぞれ解説します。
なぜ「入れ歯は恥ずかしい」と感じてしまうのか?
「入れ歯は恥ずかしい」と感じる背景には、「高齢者が使うもの」「見た目が不自然」といった古いイメージがあります。
以前の入れ歯は金属のバネが目立ったり、厚みがあって話しにくかったりと、審美性や快適さに欠ける点がありました。
ドラマなどで入れ歯が外れるシーンの記憶も、ネガティブな印象を植え付けているのかもしれません。
しかし、そのイメージは過去のもので、現在の入れ歯は大きく進化しています。
本当に恥ずかしいのは「歯がないまま放置する」こと
本当に恥ずかしいのは、入れ歯を選ぶことではなく「歯がないまま放置する」ことです。
歯が抜けた箇所をそのままにすると、隣の歯が倒れたり、噛み合う歯が伸びたりして、全体の噛み合わせが崩れてしまいます。
その結果、清掃がしにくくなって虫歯や歯周病のリスクが高まるうえ、顔の形が歪むことさえあるのです。
歯がない状態を放置することこそ、見た目と健康の両面で避けるべき事態と言えます。
最新の入れ歯なら見た目の悩みは解決できる
最新の入れ歯なら、見た目に関する悩みの多くは解決できます。
技術の進歩によって現在の入れ歯は非常に精巧に作られており、天然の歯や歯茎と見分けがつきにくいものが増えています。
とくに、金属のバネがない「ノンクラスプデンチャー」などは、笑顔になっても入れ歯だと気づかれることはほとんどありません。
審美性に優れた入れ歯を選ぶことで、見た目のコンプレックスを解消し、自信を取り戻すことが可能です。
入れ歯の見た目については、下記の記事で解説しています。
詳細は「入れ歯は見た目でバレる?目立ちづらい入れ歯の種類まで紹介」をご覧ください。
50代で歯がボロボロの状態を放置した場合のリスク
50代で歯がボロボロの状態を放置した場合のリスクは、以下の3つです。
- 口内環境がさらに悪化して残っている歯も失う
- 全身の健康にも悪影響をおよぼし大きな病気につながる
- 見た目を気にして食事や会話を楽しめない
ひとつずつ解説します。
高齢者が入れ歯を入れない場合のリスクについては、下記の記事で解説しています。
詳細は「高齢者が入れ歯を入れないとどうなる?入れない理由やリスクまで解説」をご覧ください。
口内環境がさらに悪化して残っている歯も失う
歯が抜けたまま放置すると、口内環境が悪化し、残っている健康な歯まで失うリスクが高まります。
抜けた歯のスペースに隣の歯が傾くと歯並びが乱れて清掃しにくい場所ができ、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。
噛み合わせのバランスが崩れることで特定の歯に過度な負担がかかり、その歯が割れたり抜けたりする原因にもなるのです。
一本の歯を失うことが、ドミノ倒しのようにほかの歯を失う引き金になりかねません。
全身の健康にも悪影響をおよぼし大きな病気につながる
噛む機能の低下は、全身の健康に悪影響をおよぼし、大きな病気につながる場合もあります。
よく噛めないと食べ物を十分に咀嚼できずに飲み込むため、胃腸に負担がかかり消化不良を起こしやすくなります。
歯周病菌が血管を通って全身に広がると、糖尿病の悪化、心筋梗塞や脳梗塞、誤嚥性肺炎などのリスクを高める場合があります。
お口の健康は、全身の健康を維持するための重要な基盤です。
見た目を気にして食事や会話を楽しめない
歯がボロボロの状態は、見た目のコンプレックスを生み、食事や会話といった日常の楽しみを奪ってしまう場合があります。
歯がなかったり、見た目が悪かったりすると、人前で口を開けることに抵抗を感じるようになります。
結果的に、友人との食事や積極的な会話を避けるようになり、社会的に孤立してしまうケースも少なくありません。
精神的なストレスは、生活の質を著しく低下させる大きな要因です。
50代で入れ歯にしたあとの生活への影響
50代で入れ歯にしたあとの生活への影響は、以下の3つです。
- 食事で困らなくなる
- 見た目や話し方が自然になる
- 日々のお手入れは意外と難しくない
それぞれ解説します。
食事で困らなくなる
入れ歯を使うことで、失われた噛む機能が回復し、食事で困ることがなくなります。
歯が抜けた状態では、硬いものや繊維質なものを避け、やわらかいものばかりを選びがちで、食事が偏ってしまいやすいです。
自分に合った入れ歯を装着することで、ステーキやたくあん、おせんべいなど、これまで諦めていたさまざまな食べ物を再び楽しめるようになります。
入れ歯は食生活を豊かにし、食べる喜びを取り戻してくれます。
見た目や話し方が自然になる
入れ歯は、見た目や話し方を自然な状態に回復させる効果があります。
歯がなくなると、口元の筋肉が衰えて頬がこけたり、シワが深くなったりして老けた印象になりやすいです。
入れ歯で口元に張りを取り戻すことで若々しい見た目になり、息漏れが改善されて会話が明瞭になります。
入れ歯は審美性と機能性の両面から、社会生活をサポートしてくれます。
日々のお手入れは意外と難しくない
入れ歯を清潔に保つお手入れは、正しい方法さえ覚えれば決して難しくありません。
基本は、毎食後に外して流水で洗い、就寝前に専用のブラシと洗浄剤で丁寧に清掃するだけです。
最初は少し手間に感じるかもしれませんが、日々の歯磨きと同様に習慣化していくことで、負担にはならなくなります。
適切なお手入れは、入れ歯を長持ちさせ、口内炎などのトラブルを防ぐためにも重要です。
入れ歯の日々のお手入れについては、下記の記事で解説しています。
詳細は「入れ歯の調整が必要なケースとは?必要なケース4つと対処方法を紹介」をご覧ください。
入れ歯とそれ以外との治療法の違い【入れ歯・ブリッジ・インプラント】
入れ歯とそれ以外との治療法の違いを、以下に紹介していきます。
- 入れ歯
- ブリッジ
- インプラント
ひとつずつ解説します。
入れ歯
入れ歯治療の最大のメリットは、外科手術が不要で、多くの症例に対応できる適用範囲の広さです。
健康な歯をほとんど削る必要がなく、比較的短期間・低コストで製作できます。
一方で、ブリッジやインプラントに比べると固定力で劣るため、硬いものが食べにくかったり、違和感を覚えたりすることがあります。
入れ歯は身体的・経済的負担が少ない反面、機能面で妥協が必要になる場合がある治療法です。
ブリッジ
ブリッジは、失った歯の両隣の健康な歯を土台にして、橋をかけるように人工の歯を固定する治療法です。
固定式のため安定性が高く、自分の歯に近い感覚で噛むことができます。
しかし、支えにするために健康な歯を大きく削る必要があり、その歯の寿命を縮めてしまうリスクを伴います。
結果として、将来的にさらに多くの歯を失う原因になる可能性も否定できません。
入れ歯とブリッジはどっちがいいのかについては、下記の記事で解説しています。
詳細は「入れ歯とブリッジはどっちがいい?入れ歯とブリッジの違いを解説」をご覧ください。
インプラント
インプラントは、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、そのうえに人工の歯を装着する治療法で、天然の歯に最も近い見た目と機能を取り戻せます。
周囲の歯を削る必要がなく、適切にメインテナンスすれば長期間安定して使用できます。
ただし、外科手術が必要なうえ、治療期間が長く、保険が適用されないため費用も高額になります。
インプラントは機能的に最も優れていますが、誰もが気軽に選択できる治療法ではないためよく確認が必要です。
入れ歯とインプラントの違いについては、下記の記事で解説しています。
詳細は「入れ歯とインプラントの違いは?比較表や治療方法の選び方を徹底解説」をご覧ください。
【種類別】最近の入れ歯は見た目が自然でバレにくい
最近の入れ歯は見た目が自然でバレにくいのか、種類別に紹介していきます。
- 「保険」と「自費」の違い
- 見た目が気になるなら|金属バネのない「ノンクラスプデンチャー」
- 快適さや安定性を求めるなら|「金属床」や「インプラントオーバーデンチャー」
それぞれ解説します。
「保険」と「自費」の違い
保険診療と自費診療の入れ歯の最も大きな違いは、使用できる材料と設計の自由度にあります。
保険診療では、国の定めたルールの中で主にプラスチック(レジン)と特定の金属しか使用できず、設計も限られます。
一方、自費診療には材料や設計に制限がないため、薄くて丈夫な金属を使ったり、金属のバネを見えなくしたりと、快適性や審美性を追求した高品質な入れ歯の製作が可能です。
費用と品質のどちらを優先するかで、選択肢が変わってきます。
見た目が気になるなら|金属バネのない「ノンクラスプデンチャー」
入れ歯の見た目が気になる方には、金属のバネがない「ノンクラスプデンチャー」がおすすめです。
この入れ歯は、歯を支える部分が歯茎に近い色のやわらかい樹脂でできているため、口を開けても金属が見えません。
そのため、入れ歯をしていることが他人に気づかれにくく、審美性に非常に優れています。
見た目を気にせず、自信を持って笑いたいと考える方に最適な選択肢です。
快適さや安定性を求めるなら|「金属床」や「インプラントオーバーデンチャー」
より快適なつけ心地や、食事の際の安定性を求めるなら、「金属床」や「インプラントオーバーデンチャー」が適しています。
金属床義歯は、歯茎に触れる部分が薄い金属でできているため、違和感が少なく、食べ物の温度も感じやすいです。
インプラントオーバーデンチャーは、数本のインプラントを土台にして入れ歯を固定するため、ズレたり外れたりする心配がほとんどありません。
これらの選択肢は、入れ歯の機能性を最大限に高めたい方に推奨されます。
入れ歯治療にかかる費用の目安
入れ歯治療にかかる費用の目安は、以下のとおりです。
- 【保険適用】自己負担3割の場合の料金
- 【自費診療】種類別の料金相場
- 費用を抑えるための制度や支払い方法
ひとつずつ解説します。
入れ歯の費用相場については、下記の記事で解説しています。
詳細は「入れ歯の費用相場はどのくらい?相場の比較や費用を抑える方法まで紹介」をご覧ください。
【保険適用】自己負担3割の場合の料金
保険適用の入れ歯は、最低限の機能を回復させることを目的としており、費用を安く抑えられる点が最大のメリットです。
自己負担が3割の場合、部分入れ歯で「約5,000円〜15,000円程度」が目安となります。
総入れ歯の場合は、「約10,000円〜20,000円程度」です。
この費用は、失った歯の本数や入れ歯の大きさによって多少変動します。
【自費診療】種類別の料金相場
自費診療の入れ歯は、種類が豊富で、料金相場も大きく異なります。
たとえば、金属バネのないノンクラスプデンチャーは「15万円〜40万円程度」、薄くて快適な金属床義歯は「30万円〜60万円程度」が一般的です。
インプラントで固定するインプラントオーバーデンチャーになると、「50万円〜150万円以上」かかる場合もあります。
自費の入れ歯は高額になりますが、それに見合うだけの高い品質と満足感が得られます。
費用を抑えるための制度や支払い方法
高額になりがちな自費診療の費用負担を軽減するためには、いくつかの制度や支払い方法を活用できます。
年間の医療費が10万円を超えた場合に税金が還付される「医療費控除」は、ぜひ利用したい制度です。
また、歯科医院によっては、デンタルローンやクレジットカードでの分割払いに対応している場合があります。
これらの方法を賢く利用することで、諦めていた高品質な治療も選択肢に入れることが可能になります。
【まとめ】歯医者が怖い・恥ずかしいと感じる方はまずは相談から
50代で入れ歯を使用していることは、決して珍しいことではありません。
歯を失う主な原因は歯周病で、とくに40代以降はそのリスクが高まるため、誰にでも起こりうることです。
もし「入れ歯で恥ずかしい思いをしたくない」「自身の最適な治療法が知りたい」方は、早めに歯科医院を受診してみましょう。
大宮いしはた歯科では、入れ歯やインプラント、審美歯科など、患者さんの解消したいお悩みに応じて最適なご提案・治療をおこなっております。
現在の歯に関する噛み合わせを改善し、笑顔で食事や会話を楽しみたいと思っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。