2025.12.10

金属アレルギーでも入れ歯は作れる?おすすめの入れ歯の種類まで紹介

「金属アレルギーでも入れ歯は作れる?」

「そもそも金属アレルギーとは?」

「金属アレルギーでも使える入れ歯の種類を知りたい」

上記の疑問をお持ちの方は、これまでに金属アレルギーの症状(かぶれ・かゆみ)が出たことがあり、入れ歯で再発するのではないかという不安をお持ちなのではないでしょうか。

結論、金属アレルギーがあっても入れ歯は作れます。実は、金属をほとんど使わない、またはまったく使わない入れ歯の選択肢が複数あります。

本記事では、「金属アレルギーでも入れ歯は作れるのかや、おすすめの入れ歯の種類」を紹介します。

歯科治療の前の金属アレルギー検査についても紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

金属アレルギーでも入れ歯は作れる?

金属アレルギーをお持ちの方でも、入れ歯を装着することは可能です。

金属をまったく使用しない入れ歯や、アレルギーリスクの非常に低い金属を使用した入れ歯など、多様な選択肢があるためです。

保険の総入れ歯は一般にレジン(PMMA)製で金属は使わないことが多い一方、PMMAなどのレジンに対する接触アレルギーがまれにあります。

また、保険適用の部分入れ歯には、金属のバネが使用されることが多いため注意が必要です。

アレルギーの不安がある方は、非金属素材や低アレルギー性素材を選び、ご自身に合った入れ歯を見つけることが大切になります。

金属アレルギーとは?

金属アレルギーについては、以下のとおりです。

  • 金属アレルギーについて
  • 金属アレルギーで口のなかで起こる症状と原因

それぞれ解説します。

金属アレルギーについて

金属アレルギーの症状には、局所的なものと全身に及ぶものがあります。

アクセサリーで起こる局所性アレルギーは、金属が触れた皮膚の部分で反応する接触性皮膚炎ですが、歯科金属が原因の場合は少し異なります。

歯科金属から溶け出した金属イオンは血液を通じて全身を巡るため、手足の裏に水疱ができる掌蹠膿疱症や、原因不明の湿疹、アトピー性皮膚炎のような全身性の症状を引き起こすことがあります。

そのため、口のなかの金属が原因で、体の離れた部位に皮膚症状が現れる可能性も理解しておくのが重要です。

金属アレルギーで口のなかで起こる症状と原因

口のなかに金属アレルギーの症状が現れると、さまざまな不快感を覚えることがあります。

これは、金属イオンが直接触れる粘膜に炎症を引き起こしたり、全身を巡ることで免疫システムに影響を与えたりするためです。

具体的には、治りにくい口内炎が頻繁にできたり、舌や歯茎がただれたりするほか、食べ物の味がわかりにくくなる味覚異常が生じることもあります。

また、頭痛や肩こりといった全身の不調として現れることも少なくありません。

口腔内の不調だけでなく、原因不明の全身症状がある場合は、歯科金属アレルギーを疑う必要があるのです。

金属アレルギーの方におすすめの入れ歯の種類

 

金属アレルギーの方におすすめの入れ歯の種類は、以下の4つです。

  • 保険適用の総入れ歯
  • ノンクラスプデンチャー
  • シリコンデンチャー
  • チタン床義歯

ひとつずつ解説します。

保険適用の総入れ歯

保険適用の総入れ歯は、金属アレルギーの方にとって最も安心できる選択肢です。

床の部分も含めてすべてレジンと呼ばれる歯科用プラスチックで作られており、金属をほとんど使用していないためです。

費用を抑えられるメリットがある一方で、プラスチックは金属よりも強度が低いため、割れないように床を厚く作る必要があり、装着時の違和感を覚えやすいというデメリットも存在します。

総入れ歯であれば金属アレルギーをほぼ気にせずに使用できますが、レジンに対する接触アレルギーがまれにあるため、留意する必要があります。

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、見た目の美しさと機能性を両立させた、金属アレルギーの方におすすめの部分入れ歯です。

従来の入れ歯に必須だった金属製のバネ(クラスプ)をまったく使用せず、代わりに歯茎の色に近い特殊な樹脂で義歯を固定する構造になっているためです。

金属が露出しないため、人前で口を開けても入れ歯と気づかれにくく、審美性が非常に高いという特徴があります。

金属アレルギーの心配がないだけでなく、自然な見た目を実現したい方に最適な自費診療の入れ歯となります。

シリコンデンチャー

シリコンデンチャーは、装着時の痛みや不快感を軽減したい方に適した入れ歯です。

入れ歯の歯肉に触れる部分に、生体適合性の高い柔らかいシリコン素材を裏打ちとして使用している点に秘密があります。

このシリコンのクッションが顎の動きにフィットし、硬いものを噛んだ時の歯肉への衝撃を和らげるため、吸着力が高まり、ズレや痛みが減少し快適に使用できます。

アレルギーリスクが低いだけでなく、噛む力をしっかりサポートしてくれる快適性の高い入れ歯だと評価できます。

チタン床義歯

チタン床義歯は、金属床の中でも特に金属アレルギーのリスクが低い選択肢です。

チタンは非常に生体親和性が高い金属であり、体内でアレルギー反応を起こしにくいという特性を持っているためです。

この素材は、軽量でありながら強度が高いため、入れ歯の床部分を非常に薄く仕上げることが可能となり、装着時の違和感を大幅に軽減できます。

高額な自費診療ではありますが、軽さと快適性、そしてアレルギーリスクの低さを求める方におすすめの入れ歯となります。

H2.不安な方は歯科治療の前に金属アレルギー検査を推奨

金属アレルギーが不安な方は、歯科治療の前の金属アレルギー検査が推奨されます。

  • 原因の特定には皮膚科でおこなうパッチテストが確実である
  • 検査結果を歯科医師に伝えてスムーズに連携する

それぞれ解説します。

原因の特定には皮膚科でおこなうパッチテストが確実である

金属アレルギーの原因を特定するためには、「パッチテスト」が接触アレルギー診断の標準的な検査方法です。

パッチテストは、歯科治療に使われる可能性のある複数の金属の試薬を背中などに貼り付け、皮膚の反応を観察することで、どの金属にアレルギーがあるかを特定できるためです。

検査は通常、皮膚科やアレルギー科でおこなわれ、絆創膏を貼付後、数日間にわたって医師が皮膚の反応を判定します。

この検査結果を得ることで、入れ歯に使用すべきでない金属を明確に把握し、安全な素材を選ぶ指針とすることができます。

検査結果を歯科医師に伝えてスムーズに連携する

パッチテストの結果は、歯科医師との連携において非常に重要な情報となります。

陽性反応が出た金属を歯科医師に正確に伝えることで、入れ歯の製作過程でその金属に配慮した、患者さんに最適な素材を選択できるためです。

たとえば、特定の金属に陽性が出た場合、歯科医師はチタンやレジンなど、アレルギーリスクのない代替素材を提案し、具体的な治療計画を立てることが可能になります。

検査結果の共有は、安全かつスムーズな歯科治療を実現するための鍵となります。

【まとめ】アレルギーリスクの少ない入れ歯で快適な生活を送ろう

金属アレルギーがあっても、適切な入れ歯を選ぶことで、不安のない快適な生活を送ることができます。

重要なのは、ご自身の体質と金属アレルギーのリスクを正しく理解し、事前にアレルギー検査を実施することです。

そのうえで、保険診療の総入れ歯やノンクラスプデンチャー、チタン床義歯といった、非金属または低アレルギー性の素材を選択することで、アレルギーの発症リスクを最小限に抑えられます。

もし「金属アレルギーで最悪な思いをしたくない」「自身の最適な入れ歯を選びたい」方は、早めに歯科医院を受診してみましょう。

大宮いしはた歯科では、入れ歯やインプラント、審美歯科など、患者さんの解消したいお悩みに応じて最適なご提案・治療をおこなっております。

現在の歯に関する噛み合わせを改善し、笑顔で食事や会話を楽しみたいと思っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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